モネの『睡蓮』魅力とは
クロード・モネの『睡蓮』は、印象派を代表する絵画シリーズですが、若い頃はその良さがわからなかったのでした。味わい方がわからなかった、というか。
今なら、モネが30年も描き続けた水連の絵を、1日中眺めていたいと思うのです。
その絵がいい絵かどうか、3か月でも毎日眺めていたらわかるよ、とこれは誰に聞いたか忘れましたが、なるほど、と思ったものです。私は美術大学に通ったので、それなりに、たくさんの絵を見ました。上手いなあ、私にはこんなに上手く描けないな、と思うこともよくありましたし、逆に、なんじゃ?これは?と言うような作品もたくさん見ました。学校の中でも、美術館でも、貪欲に見て歩いたものでした。あんまり忙しく見て歩いたので、何が好きなのか、その人の絵が好きなのか、有名なその人が好きなのか、自分は何を描きたいのか、わからなくなっていたと思います。
そんなときに、3か月眺めてたらわかるよ、という言葉はありがたかったです。
誰かの評価でそれを見るのではなくて、自分がその作品をどう思ってるかが、3か月毎日付き合うとわかるよ、ということだと思いました。人とお付き合いするのと同じですよね。どんな人と一緒に居たいか、自分がそれを感じられてないと、始まらないですよね。
モネの『水連』は、ずっと黙ったままで語り合えるような、そんな深さがあると思うのです。